専門的でややっこしい話は別として、この葉っぱ、「よっしゃぁ~」ってな勢いで残雪を突き破って出てきたことぐらいはわかる。
しかも葉っぱを千枚通しかドリルに見立てたことぐらいも容易に察しが付く。雪はあと少しで自然と溶けて無くなるというのに、それまで我慢ならなかったのだろうか。
もっとも、雪がなくとも、土の中から地上に這い出る際は、槍のように鋭くとがった頭でもって「うりゃぁ~」と、やってはいるのだろう。
そんなこと考えると、葉っぱにはいろんな役目があるんだな。
小さな生き物でも、まして足で踏みつぶしてしまいそうなこんな植物でさえ創造主は生き抜く術をちゃんと与えてくれてるのだな。
葉っぱは既に拡がり始めているから、もうちょっと日が早ければ、それこそ千枚通しそっくりな状態だったに違いない。
雪面に寝そべってみた。
そうしながらカメラで舐めるように構図を探していく。最初は雪面すれすれの位置にカメラを構えましたが、手前の茶色い濡れた落ち葉が単なる枝ように見えるので、目線をやや高めて撮っている。
ここは関川村、鷹巣。荒川の川底を穿つ流れの音が空けた空間に響き渡っている。
その一方、山泉が流れ出る谷筋からはパッツン、パッツンと弾けるような鮮烈な歌声が流れてきた。ミソサザイだ。朽ち木の上でのどを震わせ、口をパッカリあけ、林の奥に向けて、盛んに歌っている。
あのさえずりはとにかく美しい。地味そうに見える茶色い体も清楚な感じ。じっとしゃがんでいる私に気づかないのだろうか。
RVP100 AI Micro-Nikkor105 f/4s NikonF5 4月2日撮影
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