炎天下の岸辺はムッとする。腐った泥水が生ぬるく、ふやけた臭気が辺りに充満する。加えて、コンクリート地面の強烈な照り返しで、腐敗したような空気溜まりがあちら此方に出来上がる。
風が欲しい。風が少しでも吹いてくれるなら、透きとおるような古代蓮が咲き乱れるその場所へ、目もくれず、まっしぐらに歩を進める事が出来るというのに、これでは歩むどころか息継ぎさえままならない。
午後の陽射しはありとあらゆるものを腐らせようとする企みが見え見えだ。淀みが皮膚から染み入り、体内を一巡りする前にそそくさと退散した。
*スキャン時、モノクロ転換しています
RVP100 AI Micro-Nikkor105 f/4s(f値8) NikonF5 7月上旬撮影 福島潟
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