蝉の幼虫。
僕の生まれ育った新潟県下越旧中条町では、蝉の幼虫をモゾモゾと呼んでいる。子供の頃は行動範囲が狭かったせいもあるが、そう呼ぶのが当たり前と思っていた。
やがて毛が生えて大人になり、ちょっと遠出したその地で「モゾモゾ」を「モゾ」と呼んでいることを偶々知って、目が点になったコトを覚えている。
それから更に大人に成長し、モジャモジャな毛が薄くなり、部分的に「毛生え薬もいいかもね」と悟り始めた頃に野外学習の講師のそのまた臨時のまたまた臨時の講師をやることになって、「みなさ~ん、蝉の幼虫、見たことありますよねぇ~。その幼虫、なんと呼んでますかぁ~」と質問したら、大人達はチンプンカンプンで子どもたちだけがワイワイガヤガヤとかなり興奮して騒ぎになったのを覚えている。
僕は意図してそんな質問したわけじゃない。
初めて顔を合わせる親御さんが大勢いたんで何か共通の話題でも作ろうかな・・そんな単純な発想からつい口に出ただけなんだね、だからパネルボードの準備もしていない。
まぁいいや、そしたらね、僕の生まれた場所のすぐ近くでも「モゾ」なんだね。親の転勤で九州から新潟に来たっていう子は想像もしなかった言葉を口にしたんだ。
肝心のその言葉を思い出せないんだね。
記憶にとどまって当たり前なんだけど、あまりにも思考限界を超えたANSWERは、ただ驚いた印象だけ残したまま20年は経過しているのでした。
写真のモゾモゾ・・ニイニイの抜け殻ですな。
小さくて、泥まみれで、そんなに高くない位置で大人になってるし。
「モゾモゾ」とか「モゾ」とか言う呼び名って、その土地での子供の遊ぶ周辺部から生まれたんじゃないかなって思っている。風土と子供の感性が混じり合って。
呼び名にその辺の繋がりを強く感じるのです。
GRⅢ 7月中旬撮影 阿賀野市
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