たきがしらはいつまでも山影を引きずったまま。
奥深い山あいに在りながら、四方をさらなる山々に囲まれているせいで、見晴らしの効く峠にでも登らない限り、朝焼けは望めません。
仰ぎ見る空にはその名残雲も消えようとしている一方で、すり鉢の底とも思えるこの地では微かな霧が沸き出してくるのです。
草木に潤いを与えながら、大地を舐めるように漂っています。
ヒメシジミ。
何やら物憂げな姿でじっとしていました。
ヒメジョオンの葉の上で、夜露を凌いでいたのでしょうか。
眠りの中、陽の光が満ちてくるその時を待っているかのよう。
・・・と、見えるのだけど・・・なんだか・・・
「そろそろ目を覚まさないと、落ちるんじゃない?」とも。
RVP100 AI Micro-Nikkor105 f/4s NikonF5
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