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波打ち際から少し奥まった浜辺。あらかた砂に埋まった流木の「テラス」に胡桃の食べかすが沢山転がっていた。おそらくはカラスの仕業に違い。そう踏んだがカラスがやったという証拠がない。
不確かな要素はまだある。カラスは特別に重宝する食事場を持たない。つまり個々の縄張りを持たず、臨機応変な社会生活をおくれるよう仲間同士が協力し合う。
ならば、この塚はなんじゃ?
野ネズミか。やっぱりカラスかな。でも糞すら見当たらない。
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謎である。
翌朝、前日とほぼ同じ時間帯に此処へ。胡桃を食べる主の特定と「縦位置なら手前にピントでしょ」という悶々としたワダカマリを一晩中抱え込んでいたためだ。
で、やって来たら、胡桃の配置が違う。いや、数が増えている。それに、よく見ると、樹皮に砂の足跡らしきものが点々と付いている。カラスじゃないね、野ネズミでもない。
じゃあ、なんだ?
構図決め・コレでどうだ!
そこに在るものをどうファインダーの中に落とし込むか。若い頃、プロの写真家から教わった。同じ被写体でも僕とその人の決めた構図は全く違った。僕のは被写体が単にブレずに写ってるだけ、その人のは作品に仕上がっている。被写体以外の万物も丁寧な切り取り方だった。
あれから数十年経過し、構図を探ってる際によくその人を思い出す。今日のこの写真にしても、あの人なら此処に立って、こんなアングルで構図を決めてるに違いないて。
ほどよく雲間から太陽が覗いた。コレでどうだ!。
5月31日と6月1日撮影
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