日の出の赤い陽を浴び全てがオレンジ色。
僕の上着も指の爪も腕時計の文字盤も。
周りを見渡せば黄色かった菜の花もオレンジ色だし、見つけておいた紋白蝶もやっぱりオレンジ色に染まっていた。
12日は晴れたが、福島潟では遠く山々の稜線上には雲が覆い被さっていた。
福島潟には朝焼け狙いで早くから乗り込んで、ひたすら雲の掃けるの待ち望んでいたが、日の出の時刻が近づいても雲の消えることはなかった。
それで、周りの菜の花を執拗になめ回して他の被写体を探していたんだ。
菜の花は旺盛に見えても、よくよく見れば花は散りかけているし、中には花が全て無くなって、花茎が骸骨みたいに揺らいでいるものもあった。
紋白蝶は菜の花畑の端にいた。
寒いのか、生まれたばかりなのか、それとも死んじゃったのか、動く気配がない。
それでも花びらをガシッと抱え込んだ姿は生きている証しなのだろうか。
そう考えた。
陽がバァ~と差し込んで、波のように広がっていく。
陽は風を生んで菜の花が微かながら震えだしてきた。
その震えで紋白蝶が目を覚まし(そんなことは無い)、動いて花びらの陰に隠れるんじゃないか・・と、慌ててシャッターを切っていったのでした。
紋白蝶が菜の花と朝の陽で紋黄蝶みたいになった。
RVP100 Ai-Micro Nikkor 105f/4 NikonF3 福島潟
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