脇役になったヒメシジミ

阿賀町・たきがしら

「それなんですか?」独り男

「ヒメシジミですよ」私

「もしかしたら、看板の蝶かな。いや・・・名前がちょっと違う」独り男

やりとりをしていたら、長岡ナンバーのワゴン車が滑り込んできた。4人の男女のグループ。いずれも年配の方々。その中のリーダーと覚しき女性が声を掛けてきた。

「それなんという蝶ですか?」

「ヒメシジミです」

「珍しいんですか?・・名前が違うな~・・たしか蝶なのになんとかスズメと書かれていたんだが・・」

それを聞いて、最初の独り男が反応した。

「そう、そうだ。最後に“スズメ”と書いてあった!」

「そうだよね。今朝の日報に珍しい蝶が阿賀町で発見されて、どうのこうのと・・おにぎり作らんといけないから、ゆっくり見ている暇なかったけど、お父さんと話したんだよね。蝶なのにスズメって・・」

私は周りの会話がチンプンカンプン。

「これも珍しいと思うけどな・・」と私。

そういうわけで、たきがしらへ通じるゲート前で、なんだか奇妙な会話がどんどん深まっていくのでした。

やがて開門の時間になり管理人がカギを開けにやってきても、みんな会話に夢中で、誰一人車に乗り込まない。

「もうゲート開いてるし、そろそろ行きませんか」と私が声を掛けるまで続いたのでありました。

その日、帰ってすぐに朝刊を見てみた。

“はこもの記事”で載ってました。ようやく納得!

『希少チョウ 我らが守る』とクレジットが入っている。絶滅危惧種・キマダラルリツバメの事がカラー写真入りで載っていた。

長岡から来たあのグループはその記事のことを言っていたのですね。一方、独り男は捕獲禁止の看板から。

私が蝶を撮っていたものだから、気になって聞いてきた訳なんですね。

標高約390メートル・・谷あいにアカショウビンの声が木霊する中でのひととき、このヒメシジミのおかげで、なんとも楽しい会話で盛り上がってしまいました。

もっとも、お目当ては目の前の蝶・あんたじゃないのに。その点、ちょっと気の毒。

そうだ、脇役になったヒメちゃん、因みに表の翅色はこんな感じ。これも当日同じ場所で撮影した。藍色が渋いオスだよ。

RVP100 AI Micro-Nikkor105 f/4s NikonF5  6月18日撮影

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コメント

  1. こんばんは。ヒメシジミ良いですね。すっきりとした背景で綺麗です。
    私も先週ヒメシジミ狙いで胎内市へ行きましたが、帰り際に1匹見ただけで
    納得のいくものは撮れませんでした。今週またリベンジしようかなと思っているところです。

    • クワタロウさん、コメントありがとうございます。
      陽が昇るにつれて、草むらからわき出すようにヒラヒラ飛んでました。
      写真のカットのヒメちゃんは他の方達が声を掛けてくる直前のもの。
      道路から丸見えでの撮影でした。
      草むらにしゃがんだ私の姿を「野うんこ姿」と勘違いされた方もおりました。
       

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