昔懐かしい花に出会った(旧中条町、大輪寺の境内にもあった)。
アケビだ。
何度も足繁く通った里の道にもかかわらず、花が咲いてその存在に初めて気がつくなんて、一体どうしたことなんだろう。
それでも尚、「こんなところにあった?」と訝る自分がいる。
人は他の動植物にとってみればものすごく下等な生命体なのかもしれない。
目の前にぶら下がった花房を見ても「誰かが、ここに植えたんだ」と思い込み、自らの見識の甘さを認知できずにいる。
これではいけない。
先日、奥様に「あんた、今の年齢からしてあと8,300日も生きられないんだよ」と言われた。男性の平均寿命から導き出した数字らしい。
それで「じゃぁ・・なんだ・・生産寿命ってあるよな。あれで計算すると、俺はどうなるんだ?」と。
そしたら、「今の状態ではゼロだね」。
グサッときましたねぇ、この言葉には。
横道に逸れたんで、話を元に戻しましょう。
花の盛りはどうなんだろう。ちょっと遅すぎた感じがしないでもない。
それでも、「二藍色」(ふたあいいろ)と表現したくなるほどの柔らかな紫色とまろやかで薄皮緑の葉っぱの取り合わせは絶妙で、私を立ち止まらせてくれた。
縦位置で表現してみました。
半ば木質化したツルの部分が太陽の光で際立って目立つことがないように、薄雲に隠れるのを待って撮ってみた。前述の『たんぽぽの綿毛』の直後です。
幼い頃、アケビの実を口に入れた。種をペッペと吐き出しながら食べた事、それと匂いなんだろうか・・。
撮影しているとオブラートに包まれた当時の記憶が少しずつ鮮明になっていくのが分かるんだ。それって、ものすごく大切な事だっていうことも。
RVP100 AI Micro-Nikkor105 f/2.8s NikonF3 4月下旬撮影 月岡温泉近く
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