冬至を過ぎて迎えた最初の日曜日、五頭山系の山の端が赤く膨らんだ。
この時期、鈍色の知らず白む夜明けを見慣れた目には、それは控えめでいて染み入るような薄紅色でした。水面もいつになく穏やかです。波ひとつ立ちません。
その眠ったままの沼潟に明るくなるにつれて山並みが染まりながら映えてくる様はその場にいる者に静寂で平穏なひとときを与えてくれます。
何度も小さな声で「そろそろ起きてもいいんじゃない。 きれいな朝焼けだよ」と、潟の主に囁きかけたくなりました。
冬の朝焼けは格別です。
言い換えればそれだけ色のある空間を待ちわびているのでしょうか。
真冬の中にあって、聞こえるはずもない春の足音を微かに聞いたような気分になったのもそのせいかもしれません。
構図
遠くに見える山々のバランスをとってこんな感じにしてみた。
岸辺の湖面が色付いていく姿を表したく、ストレートに大きく取り入れた。
RVP100 AI-Nikkor 35 f/2s NikonF5 福島潟 12月下旬
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