梅雨の晴れ間の7月14日に撮影している。
この時点で4時半をまわって、日の出を迎えるようになった。夏至の頃に比べ20分は遅くなっている。太陽の位置も右に寄ったかな。
葦原からはオオヨシキリが相変わらずガナリ声をあげているが、バックコーラスに林の中で待機していた蝉が加わった。
写真のように緩やかな朝は蝉の声が幾重にもなって、風のように、波のように此方に押し寄せてくる時がある。
目に見えない指揮者が彼らを操っていて、音色はリズミカルで、小さい音から徐々にグワ~と持ち上げてくる。そしてまた小さく消えていく。
そんな中、葦原のオオヨシキリだけが場違いな存在に思えてくる。
音程が全く合っていない。もう少しだけ、か細く丁寧に謳えばいいものを、力一杯に頭の血管が切れるんじゃないかなと思われるような感じで声を張り上げている。
いや・・そんなこと言ってはダメなんだ。
オオヨシキリがいないことには夏の潟はやってこないのに、彼らがいなくなった朝は妙に寂しさを感じるというのに。
そのことを忘れておりました。
RVP100 AI-Nikkor 35 f/2s NikonF5 三脚使用
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