ノコギリクワガタの品格・昆虫に「気品」らしさはあるのだろうか?

8日に出会ったノコギリクワちゃんより一回り大きい。体長50㎜は優に超える。顎もでかく、湾曲が目立つ。赤味がかった体が陽を受けて鈍く輝き、ゾクッとした。

その顎なんだが、体長が大きくなればなるほど湾曲も盛大になる気がする。盛り上がった顎には気品すら感じる美しさが滲み出ているんだなぁ。

胎内市の『胎内昆虫の家』で展示されている馬場先生の「樹液に集まる虫たちの優先順位」ではカブトムシに次いで2位に君臨する・・それを思い出しました。

コナラの幹にいたのですね。手を伸ばせば捕まえられる高さに。

ところが、カメラを三脚にセットして、視線を元に戻したら・・・いない!

あ~やられた~と思いましたね。

敵が近づいて、危険を感じて、落ちたんだ。擬死っていうやつだろうか。すぐに真下の幹周りを探したら腐葉土の上をおずおずと歩き出していた。

実は23日、似たような場所で同じ色合いの一回り小さなノコギリクワガタを見つけている。やはりコナラの幹にいた。

ゆっくり近づいて背後からニョロ~と首を伸ばして観たんですね。交尾中か交尾しようとしていたのかメスの上に乗った状態で下向きだ。

そいつをゆっくり観察しようとした矢先、ポロッと地面に落下した。

ほぼ2匹同時にです。まるで石ころみたいにポロポロッ。

あれは予期しない危険に直面した時の回避行動に違いない。

できれば無駄に体力を消費せずにその場をやり過ごしたい。そんな意思が働いていたとしか思えないんだな。

オスは腐葉土の上をスタスタ歩き出していて、メスは・・それがなかなか見つからない。手で枯れ葉なりを払いのけたら、土の中に潜り込もうとしていたんだな。

話は逸れてしまった。

写真は同じように逃げ出していた彼を摘まんで、コナラの元いた場所近くにとめている。「とめている」と言っても、接着剤なんか使っていない。

こうなるともう逃げない。逃げずに立ち向かってくる。

顎をグイッとあげて威嚇する。

大丈夫だよ。写真に撮るだけだから、だから動かないでくれ!

オイラの願いが通じたのかしばらくはこの姿勢を維持していた。

その後、脇の草むらでハグロトンボの撮影に勤しんでいて、その帰り際に、このクワガタがどうなったか確認してみたが、そこにはもういません。

もしかしたら、私の関心が逸れている間に、ポロッと落下して、スタコラサッサ、遠のいたのだろうか。

RVP100 AI Micro-Nikkor105 f/4s NikonF5  新発田市 7月中旬撮影

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鳥屋野潟 梅雨の晴れ間・水分をたっぷり含んでおりますな

意地悪なジャノメチョウ・炎天下の撮影で終いにはフラフラした

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