海へ誘う小径を歩いていると、朽ち果てた番屋の中から猫が二匹飛びだしていくのが見えた。ボクの足音を警戒したのだろうか。その小屋の前まで来ると草薮に潜んでいた一匹の猫が海の方へ走り出した。
そして、ボクは此処まで来た。
猫はあの小屋の何処かでボクの動きを見ているに違いない。
なだらかな砂浜へ波が駆け上がってくる。退くと砂地が濡れて鏡のように空を映す。40㎜の画角は中途半端だね。鏡になってる範囲だけフレーミングしようとするがコレが決まらない。
砂地に埋まった突堤残骸。シッポのように伸びた黒帯は波頭の跡。
陰に雪がチョイ残っていた。飛び砂は無かったが、風があった。ヤワな風。にも拘わらず、首に巻いてたはずのタオルがフワ~とほどけ、あろうことか海の上まで飛んでいった。
帰って、丁寧にカメラの手入れをする。













