真綿色の帽子とセーター

ACROS100Ⅱ Ai-Micro Nikkor 105f/4 NikonF3

大晦日を母と二人して迎えたのだから、当然令和3年の朝もそうなる。母はこの時まだ布団の中で眠っていて、僕は家の周りの雪掻きに勤しんでいた。

道路は消雪パイプの水で路面が露わになっていたから助かったが、家の脇は吹き溜まりで、玄関までの通路が埋まりかけていたのでやらねばならなかった。

年老いた母が出来るわけないし、やらせるわけにいかないし。

せっせと雪掻きした。

途中で何度も背をそらせながら。

何度も背骨をトントンしながら。

お地蔵さんはその時に眺めた姿。

道路を挟んだ真ん前のお地蔵さんである。

雪がまっすぐ、無理なくやんわり落ちてきたのだろう。

まるで真綿みたいだ。

そうだ、真綿色ってあったな。

シクラメンを連想しちゃうけど、目の前のお地蔵さんは真綿色のセーターと帽子を身に着けていて、確かに寒そうには見えるけど、暖かそうでもあるんだね。

写真

三脚に105㎜のレンズを付けたカメラを固定して、じっくりとアングルを探してみた。

お地蔵さんの背後には雪を抱えた杉林があって、それを背景に持ってこようと決めていたんだが、ファインダーで覗いたら杉の枝枝がうるさいんですね。

それで寺の山門をバックにした。

問題は露出、こりゃぁ大変だ。

アンダーにすれば雪の質感は出てくるけど、お地蔵さんの顔は真っ黒でしょ。オーバーにすればお地蔵さんの表情は出てくるけど雪は真っ白く飛んで空と区別がつかなくなる。

そのあたり緊張感あるね。

自分の狙いがどうでるか予想しながらシャッター切る。

良くも悪くも銀塩写真のもつ特権でしょうか。

現像するまでず~と露出値のこと考えるのは頭の体操にもなるし。

ミクロファイン 1:1 20~21℃ 12分50秒(30/60/5)

元旦撮影・胎内市

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