かれこれ数十年も見続けている藪椿か。いや、「見続けている」と言うと大袈裟になりますね。何気に目にとまる・・そういう感じです。
胎内市・大輪寺境内です。
よそ様の墓のすぐ脇にあるんでその墓の持ち主の姓で呼んでいるんですね。
◯◯椿と(◯◯には苗字が入ります)。
その◯◯椿なんですが、先を急ぐかのように散り落ちていました。
朽ち花の中には散って尚も匂いを放つヤカラが幾らかいるのですが、◯◯椿の花はサッパリ匂いませんでした。
「この世にもう未練はありません」みたいです。
「ほのかな残り香が漂っていないか」と気になって、そばに寄って犬みたいにクンクンやってみましたが、やっぱりしませんね。
・・その時の足跡がわずかに写真に写っている・・
一斉に散り落ちたのでしょうか。根元を中心にして放射状に散らばった終い花を眺めていたら、この句が(アッ、作者の名前は後で調べました)。
ひさかたの 光のどけき 春の日に 静心なく 花の散るらむ (紀友則)
散る花は桜じゃないし、見た目の雰囲気も句を詠み思い浮かべるソレとはかけ離れ、存在感アリアリで堂々たる輪郭の佇まいなんですが。
盗られる
花で思い出しましたが、実家で母が育てていたクリスマスローズ全株が根こそぎ盗まれてしまい、母は相当ショックを受けている。
庭に地植えしていて、結構見事な花を付けていたんだな。
盗まれたのは今回だけでは無く、分かっているだけで、昨年は曼珠沙華。此方は花切ハサミで綺麗にカットされてた。その前は咲いたばかりの福寿草がスッポリと。
同一犯人なんだろうな。
「売り物にもならないだろうし、それを鑑賞するとしたらどんな神経の持ち主なんだろう」と思うと切ないものがありますね。
RVP100 voigtlander 40f2sl2s NikonF3 胎内市 1日撮影
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