夜明けの小舟・舟はそこが湖面であるのを忘れたかのようだ

夜明け前は特に好きだ。眺めるのはもちろん、読むのも好き。

島崎藤村の名作『夜明け前』の書き出し「木曽路はすべて山の中である」なんて、眼下に蒼く冷気漂う山々の木々がおぼろげに浮かび上がってくる絵を想像する。

自分が鳥の目線で眺めているんだな。

そうした心の風景を頭に描きながら冒頭の文章を幾度となく反芻していると、得も言われぬ至福感に包まれてくる。

写真は福島潟の夜明け。

藤村の小説(あくまで書き出し部分)を思い描きながら、その雰囲気に近づけようと昨年から何度も似た構図でトライしているがいっこうに進歩がない。

それで今回はレンズの絞り値を開放でやってみた。

超スローシャッターのせいでブレている舟ばかりのフィルムを量産してしまって奥様に叱られたせいもあって、ガッツリと頭をひねってみた。

「たかがレンズの絞りを変えるだけでしょ」と言われればそれまでなのだが、オイラのような年齢になると変に凝り固まった考えになってしまい、修正するのにものすごい体力がいる。

パワーが必要だ。

正直、腹が痛くなってきたくらい。

まぁ、開放で撮影したおかげで舟はブレなかったし、浮かび上がって見えたし、発泡酒を飲む際の肴ぐらいにはなったかな・・と思うようにしよう。

RVP100 AI-Nikkor 35 f/2s NikonF5  26日福島潟にて

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