枯れ野に深山茜

先ほどまでの新潟マラソンが、選手達のうねるような波が、脳裏に焼き付いた状態で湿原に立ったせいか、異次元の空間に迷い込んだ気分になった。

休日の昼下がりというのに人影は疎ら。

遠くの見晴台で親子が手を空に向けて何やら叫んでいるくらいでしょうか。子どものケタケタ笑う声が遠くでありながら近く聞こえてくるのはすり鉢状の地形のせいかもしれません。

矢車草の鬼気迫るような葉っぱは黄色く爛れ、オオバギボウシの葉に至っては凜と見えていながら触れると脆く崩れてしまうものも出てきて、それだけ夏が足早に過ぎ去ってしまったことを実感せずにはいられません。

湿原全体をオレンジ色に染め上げたコオニユリの姿は枯れ果てて卒塔婆にも似た状態で林立していました。木道を歩いてみましたがカナヘビの姿もなく、時折アキアカネが頭上をかすめる程度です。

紅葉にはまだ随分と早い時期にやって来たことを心なしか後悔しておりました。

写真は翅に茶褐色の帯が入っているのが特徴の深山茜(ミヤマアカネ)。

帯の近くにちょこんとピンク色した点が見えるだろうか。これを『縁紋』といって、この色がトンボの成熟に従い白からピンクに変化していくという。

トンボのとまった植物はなんだろう。コオニユリの実かな。覗き込むと中は三つに仕切られていて赤茶けた種がギッシリ詰まっていた。

その茎を振るとシャカシャカと音がする。さらに勢いをつけるとはじけ飛んだり、こぼれ落ちたり。小豆みたいな大きさの種だった。

そうそう、ファインダーを覗き込んでいて気がついたんだ。親子連れが空に向けて手を差し伸べていたのは赤とんぼを捕まえようとしていたんだな。

RVP100 AI Micro-Nikkor105 f/4s NikonF5  たきがしら 9日撮影

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

極彩色な鳥屋野潟

モンシロチョウ

関連記事

  1. 墓守りの木

    この木の近くに墓地がある。畑もあるけど、お墓の存在は大きい。それで一人で勝…

  2. カブトムシ屍

    これも現実なのですね。サンダル履きで出掛けられる公園内でもこ…

  3. 山影蒼く・ノビタキ

     大きな川を隔てて蒼く沈んだ山肌は新発田市米倉の山々。野焼きの煙がほどよく地…

  4. 落ち葉布団

    みなさんは“アンガーマネジメント”という言葉をご存じだろうか。…

  5. 見得を切るハラビロ

    獲物に飛びかかろうとした矢先に僕に見つかってしまったカマキリは新潟市…

  6. 母校の桜を見上げてみた

    RVP100 Ai-Nikkor 24f/2.8s NikonF3 胎内市…

  7. ネコヤナギにシジュウカラ

    ネコヤナギにシジュウカラがとまってくれました。雪が消え、ネコヤナギが…

  8. ハルニレのカブトムシ

    ハルニレの樹液をむさぼるカブトムシの♂。午前9時を過ぎ…

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

最近の記事

PAGE TOP
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。