思い出したように突然、翅を震わせ、逃れようとした。
よく見ると蜘蛛の糸が絡まっている。
でも・・・・・こんなに痛むまで、ここでもがいていたのだろうか。
飛行機で例えるなら尾翼は欠落。主翼もスパッと裂けている。
飛翔中に野鳥の急襲に遇うも、辛うじて身をかわし、ここ河川敷の草藪の中に不時着した・・・・けれど体力の回復を待っている間に、蜘蛛が近づいて・・。
それとも、ここまで十二分に生き抜いて、子孫も残し終え、老いて、疲れ果てた末に、静かな死を迎えようとしていたのか。オイラという予期せぬ邪魔者がやって来たものだから、別な場所でその儀式をやり直そうと、もがきだしたのだろうか。
つい手を出してしまった。
とまった枝先をグイッと持ち上げたら、ハラリと宙に浮いた。
グングン高く舞い上がる。弧を描いて舞い上がる。
風に吹かれるでなく、自らコントロールしながら舞い上がる。
見えなくなるまで、目で追い続けたのでありました。
RVP100 AI Micro-Nikkor105 f/4s NikonF5 7月下旬
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