~前の写真の続き~
「山田君!ちゃんと撒きなさいっ!」吉川叔父さんがお立ち台で叫ぶ。
「でも・・もうありません!」と私。
「全部、撒いたのか!」と吉川さん。
「ハイッ!、合図してくれたんで一気に撒きましたっー!」(私)
「何だぁ~っ? もう一袋持って来て撒け~っ!」(吉川さん)
周りには大勢の観光客が幾重にも。みんな吉川さんの「コ~イ、コ~イ」のあの有名なフレーズを今か今かと待っている。いつになくピリピリしてるのは民放のラジオ局が取材に来たからだろうか。
あの時、白鳥は吉川さんへは寄らず、私の方に近づいてきたもんな。
もしかして、あのことを・・思い出しているのだろうか・・・。
「よしっ!すぐ撒きなさいっ!」少しは優しい口調になった。
私は背後に立っている大勢の観光客に注意を呼びかける。
「あの~スミマセ~ン!撒きま~す!細かい粉が舞いますよ~」そして・・エサの入った米袋をかざしただけで・・周りのカモが死にもの狂いで押し寄せる。しぶきが飛んでくる。
客も顔を覆う。
エサの粉が漂いイヤイヤする客もいる。
カモたちの争奪戦が始まり、吉川さんの声もかき消される。
あらかた、カモが私の方へ寄って来て、塊になったところで、吉川さんがついに叫んだ!
「コ~イ、コ~イ!」
するとカモが少なくなった空間に白鳥がス~ッと入り込んでくる。
白鳥は吉川さんの周りでエサを食べ始めるのでした。
お・わ・り。
当時の様子を回想してみたが一言一句、あっている訳じゃないからね。
過去写真 新潟県瓢湖
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