ACROS100Ⅱ Ai-Micro Nikkor 105f/2.8s NikonF3
こりゃぁ、もう日光浴しかないでしょ。虫さんを捕食しようとする顔つきじゃありません。土の中で凝り固まった体に暖かな陽を集めてジュワジュワと内臓に滋養を染み渡らせているようです。
風で笹の葉が時々ダイナミックに揺れても、へばり付いたまま。
ボクは最初は真横から観察してて、それから静かに前方に回り込んでるんですね。大概の雨蛙はこんなことすると、体の向きを変えちゃうんです。それがこの御方は微動だにしません。
喉の辺りがクルクル動いてて時々メンタマシャッターが開閉するだけ。よほど暖かな陽が欲しかったのでしょうか。そうでしょうよ、そうでなければとっくに逃げてるはず。
撮影
最初はリバーサルフィルムでこれも残りフィルム全部をこの方に捧げましたわ。笹の葉が帆のように膨らんだりして揺れますからピント合わせに苦労しました。それだから数打ちゃ当たると思いまして。
続いてモノクロフィルムを詰めたカメラにレンズを嵌め換えてパシャリしてるんですけど、一連のボクの動きはこの御方には丸見えなんです。
フィルムは残りコマ1枚のみ。大切に大切にシャッターを押さなきゃいけないですから、長い間ファインダーを覗いていました。風が止むのを待つのですね。
それで指先に力を入れようとするとまた揺れだす。風とイタチごっこです。撮影後その場から無造作に立ち上がって背筋を伸ばしましたが、この方はそのまま笹舟に揺れてました。
4月11日 旧笹神村にて
📷データ:ミクロファイン1:1 22℃ 10分30秒
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