しっとりと濡れた緑葉にアザミの花はギョロッとなるほど鮮烈で、明るい雨なら「もっと降って、アザミの花をより際立たせてくれないか」と思ったほど。
こんな美しい雨の降り方ってあるんだぁ~と。
雨に付きものの陰鬱さが全く無いんだ。
これぞ、慈雨。
処は胎内市・胎内平。
いつもはこの時期に蝶やらクワガタを狙いにやって来るのだが、この日は旧黒川村に近づくにつれ雲行きが怪しくなり、その懐でついに雨が降りだした。
振り返れば夜明けの清冽な青が西の空にあるのだが、進む先は霧の中。高度を上げるに従い次第に雨脚は強まって、車の天井を叩くその音さえ気になるくらいとなった。
けれど、明るい。
雨池では雨粒が池の隅々まで落ちて、沼全体が小さな花火を咲かせていて、それをつぶさに見届けようと雨具を羽織もせず辺に立ってみた。
ラクウショウの根ですね、“気根”がプスプス。音なんか発していないのですが、雨垂れの音がシンクロしてそう感じてしまうのです。
嬉しい雨なんです。草木が喜ぶ雨ってこんな雨なんだと。
写真は近くで咲いていたアザミ。その花茎を頼って上へ伸びた蔓。
二つの植物を一つに見立ててみた。
楽しい雨は命を輝かせてくれる。
アザミもいいけど、この蔓、これからどう伸びる?
RVP100 Ai-Micro Nikkor 105 f/2.8s NikonF3 胎内市 7月15日撮影
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