役目を終えた鬼灯はクモ巣を引きずって花瓶の中に納まっていた

実家の盆棚に飾ってあったホオズキ。

役目を終えたホオズキは、玄関脇で、埃を被り蜘蛛の巣を引きずった姿で空花瓶の中に収まっていました。

ホオズキは漢字で【鬼灯】とも書く。

亡き父や先祖の霊が迷わずに帰って来るためには鬼気迫るような赤々と燃え盛る提灯でなければいけなかったのだろう。

そうした解釈をすれば、ホオズキはある意味、縁起物でもあるわけです。

(縁起でない物を仏壇に飾るわけない)

それが雨風には晒されていないものの、“呼吸”も出来ないほど、肌が醜く汚れ果てていたのですね。

不憫に思いました。

埃を払って、フィルムで写真を撮ってみた。

背景は車庫の外壁。

スレート張りのつなぎ目が写り込まないよう注意して、陽の光が雲で幾分和らいだ時にパシャリしたのでした。

下部より手製レフ版でその表面に光を少しだけ傾けています。

枯れホオズキが命を宿した姿で浮かび上がってくれればいいのだが・・・。

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