枯葉覆う参道の石段

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豊田神社は五十公野山のテッペンにある。秋、参道は落葉で覆われる。石段を一歩ずつ登るその度に枯葉は靴底で踏まれて、ザクッ、サクッ、バリッと乾いた音をたてた。

ひときわ大きな枯葉は朴だ。

朴葉に導かれた訳でないけど、一段登ればまた別な朴葉と撮り貯めていく。

蛇を見た

何か撮影の題材でもと周辺部をうろついていた。その足で参道を登る。

テッペンは子供が遊ぶにはちょうど良い広さだった。あの雰囲気はいい。誰もいない境内で落ち着いた。拝殿の裏側に回る。山道が続いていた。下の方で子供らの笑い声が聞こえる。

引き返すと今しがた通ったばかりの小路に蛇がいた。僕の足音に驚いて脇の草藪にスルスル入っていく。歩くのを止めると蛇も止まった。シッポ部分だけ路に残ったまま。

静かに手を伸ばせばシッポを掴めそう。

何故だか知らんけど、娘の病気の回復をそのシッポに願ったさ。私は娘の父で、娘の名前は○○。新潟市○○に住んでいる。現在こんな病状で辛い。回復に手を貸してほしい・・と。

蛇はそのまま。願掛けが終わり歩きだすと、シッポは草むらに吸い込まれていく。ありゃ、なんだったんだ。俺の願い事をマジに聞いてくれてる気がした。

お賽銭を少々。

4日・新発田市

壁の秋・モノクロフィルムで撮る

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