アジサイの残り花でも撮ろうかな、生気の無い花びらでも・・・
ああでもない、こうでもないと思い倦ねながら彼らを眺めていたら、花園を寝床代わりにジッとして動かないキリギリスの類いを見つけた。
ツユムシ?
キリギリス?
どっちだろう? いずれにせよそのへんのカテゴリーだろう。
緑が美しい。
瑞々しいその体色は勢いを失った花びらの中にあって一際目を引いたような・・いや、そうでもないような・・・とにかく際立っていたのでした。
頭の中で「枯れ花」「沈んだ感じ」「腐れかけたような」・・アジサイに対するイメージをどんどん膨らませていたものだから、このキリギリス?の生身の緑はちょっと受け入れがたい鮮烈色。
撮るか止そうか躊躇してしまいました。
しかし陽が射してくると頭の中のイメージが次第に溶け出していくのですね。
色を失いかけたアジサイの残り花も陽射し加減でほんのりと色づいていくようです。
ほんの少しなんですが薄紫色に輝いてきたような。
オッ・・・オォ・・・いいでちゅねぇ~
彼らが愛おしく見えてきたのでした。
長い
キリギリスの目ん玉部分にピントをゆっくり合わせていたら気が付いたんだ。
ヒゲ(触覚)・・長~い。
画面に収まりません。
静かに三脚を引いて、カメラを縦位置にした。
ヒゲは画面からキレてないよな・・
花びらはこちらを向いているよな・・
キリギリス?にとって、このアジサイの花園はゆりかご的な存在なんだろうか・・そんなことを思ったりして。
RVP100 Ai-Micro Nikkor 105 f/2.8s NikonF3 胎内市 15日撮影
*彼にとっては僕は喜ばしくない存在で、ジッとしていながら「どうやって逃げようかな」と考えているのかもしれません
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