切ないほどパッと花開いてくれていた。
寒さのあまり頭を垂れているかのように見えた雪割草が、小雨が上がり陽が照ってしばらくして見に行くと、ご覧のような姿で私を出迎えてくれた。
花の勢いからこの日がこの花の“初咲き”でないことはわかったが、それにしても肌寒さを感じる中にあって、すこしでも陽の光を享受し自然受粉の時を待つ小花の健気さにホロリとなった。
この日16日はN氏に胎内市・石切山を案内していただいた。
藪道を踏み進むその靴音が幼い頃に見聞きした当時の記憶の扉をノックする。
「サワガニをごっそり捕まえたのはあの沢だったかな」
「確かに石切山のテッペンで叫んだような」
錆び付いた記憶の歯車が少しずつ動いていくのでした。
RVP100 Ai-Micro Nikkor 105 f/2.8s NikonF3 胎内市
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