家族の絆

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娘の病気を機に家族の絆は深まった気がします。独り晩酌の時間が減り娘の前でビールを飲むようになったし、テーブルの真ん中に置いた枝豆を家族で競って食べるようになった。

枝豆をつまみビールを流し込む間に二人は三個も食べている。食い尽くされると危惧し小皿に自分の分を小分けする。途端に「どうして、そんなにとるの」「あんた、男でしょ」となるんだね。

娘を中心に会話する時間が増えていく。

退院して4ヵ月が過ぎました。体力が今だ戻らない事、体重が増えている事、そして将来の事・・娘は不安に押し潰されそうな日々を過ごしています。

午前中は眠気を持ち越し、横になって目を閉じている状態です。

親としてはただ傍で寄り添う事しかできません。

「頑張れ」とは言いません。もう娘は十二分に頑張っているのだから。

「そうだよな」「辛いよな」と背中をさすっています。

いつか元気に動き回れる日が来る・・そう信じることが明日へ繋がるのです。

写真

「暗くならないうちに散歩に行く」と娘が言う。

「それじゃぁ、みんなで公園行くか」と女房。

「あぁ、いいねぇ」俺

「行きたい、そうしよう」娘

鳥屋野潟公園をゆっくり散策した。開けたところで二人が立ち止まった。

娘は腰に両手をやって何を思ってるのだろう。拘束部屋でただ呼吸していただけの日々か?閉鎖病棟で将来の自分の姿を見失ったことか?それとも今後の自分の歩む姿を開けた空に描いているのか?

傍らの母はどんな気持ちで娘の横顔を見ていたのだろうか。

心配しなくていいよ・・かな。きっとそうだよ。

咄嗟にカメラを取り出し2カット撮る。

長閑な秋の日とアリ地獄

朝焼けに駈ける

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