窓。
西堀通りと新津屋小路の交差点が背後に写っている。覗き窓の内側から貼られたポスターは目隠しか。もっともポスターかどうかは近づかないと判らなかった。
カメラを向けて初めて「スターがいる!」と。
いい絵が撮れたと思う。が、しかし、室内に人がいたかどうかが気になるところだ。窓辺の向こうに瀟洒なテーブルがあって、向かい合うように男女が座っていると想像する。
だとしたら仰天したことだろう。変態男が顔を近づけてるってね。
「キャァ~」とはならなかったのか・・である。
しばらくこのアングルで待ってたんだ。背後に車や人が来ないかってね。
来やしない!
それどころか足元のアスファルトが熱く感じる。
「はよ来いっちゃ!」・・頭の中で念じる。カメラ構える腕が重くなってくる。
振り返ったんだ。背後を。
なんなんだよ!
誰一人いやしない。車も。喧噪も聞こえない。
俺だけポツンと取り残されたような。どこか知らない遠い世界に来ちゃった。汗が噴き出してさ。暑さのせいか。俺が俺でない感じでさ。ス~となってクラッときましたわ。
熱中症一歩手前かな。
そんときにポチってる。夢の中みたいな絵になった。
海の日記念日
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