RVP100 Ai-Micro Nikkor 105f2.8s NikonF3
冬の北風が吹き荒ぶ新潟東港の岸壁。さすがに釣り人は誰もいませんでした。係留された工作船がゆっくり揺れています。僕は工作船の船体にぶつかりへばり付いた雪の塊とか錆び付いた汚れをリバーサルフィルムで、しかもちょっと露出を抑えた燻した色合いで撮影するつもりでいたのです。
ところが、見る見る太陽の陽が照ってきた。船体の頭から尻、尻から頭へ何度も行ったり来たりして撮影したい被写体部分を探している最中にも陽はどんどん強烈になっていく。
冷たい風の中にあって輝きを増す陽の光はあまりにも直線的で攻撃的であるなと感じながらも何よりも周りの暗く沈んだ光景が俄に活気づいていくのには驚きました。
陽の光の有る無し、強弱で見た目の印象が天と地ほどに逆転するのです。
船体の波打ち際は陰鬱な陰が蠢いている一方でそこから突き出た船の色はあまりに極彩色で、眺めていると船体の揺れも手伝って目眩がしてくるのです。
カラーを意識しました。
重ねたカラーをレンズの圧縮効果で表現してみました。
あまりの陽の光に撮影当初考えてた目的はすっかり忘れてしまってました。
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