錆び付いた針の門の前で車を止めた。
有刺鉄線の向ではかつて汗して働く労働者、陸揚げされた木材を積んだトラックやら大型のリフトが行き交ってたんだろう映像が朧気に網膜に浮かんでくるようでした。
違う。ホントは逃亡者のアジトを突きとめた気分かな。
探す
モノクロ写真に興味を持つようになって、新たな撮影場所を時間の許す限り探している。それも通年で撮影可能な領域はないものかと色々と歩き回っている。
最近は実家へ帰る途中に東港に立ち寄ってパシャパシャやるケースが多い。
写真はその周辺部を車で流していて見つけた光景なのでした。
至る所に立ち入り制限区域の看板、監視カメラがあって、立ちションはおろか車を止めてカメラを構えるだけで、いつの間にか民間の警備会社の車が遠くに止まっていたりする。
写真を撮るだけなら制限はないのだが、遠くに止まってコチラを監視しているだろう人物を想像してしまうと、アングルを探すため行ったり来たりするのが気になるのだ。
勘違い
確かにこの撮影場所に来ると警備会社のパトロールカーを頻繁に見かける。定期的に巡回しているとしても、あまりにも出会う確率が高い。
俺とか車のナンバーが控えられているのかなと思ったりする。
この写真を撮った翌週にもこの場所へやって来た。
やっぱり遠くで車が止まった。
気になって写真を撮ったら車に乗り込んで、遠くに止まった車目掛けて近づいた。
たんなる釣り人でした。
岸壁から釣り糸を垂らしていた。
「キスだよ、キス、今釣れるんだ、小っちゃいけど」
聞いてもいないのにアチラさんがそう言ってニヤ~と笑った。
ACROS 100Ⅱ Ai-Micro Nikkor 105f/4 NikonF3 7月中旬撮影
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