鳥屋野潟公園の一角。
八重桜の花びらが、その役目を終え地面に散り積もっていました。
幹周りを中心に取り囲んでいます。
遠目だと芝桜のように見えるほど見事な散り花でした。
地面の草緑と桃色の花が鮮やかで、自然と惹かれていきました。
風も雲も無く、散歩する人もわずかで、静まり返った朝です。
朝陽が散り花を樹間越しに照らした頃に撮影を開始するとして、それまでしばらく、辺りを行ったり来たりして構図を探すことにしました。
その時、感じたのですが、ほのかな香りが漂っているのです。
桜の香りです。匂いに強弱があるのは、ゆらぎのせいでしょうか。
気持ちを落ち着かせてくれる香りで、地面に座り、脚を伸ばしてみました。
目をつむり、ゆっくりと数回、深呼吸を繰り返します。
するとどうでしょう。ひときわ濃密な香りに包まれているのです。
散り積もった花々が発する芳醇なにおいに酔いそうにもなります。
役目を終え散り落ち、朽ちていくなかでさえ、生へのこだわりがあるようにも思われてくるのです。
RVP100 35㍉ NikonF5
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