古い土留めに昔を想う

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4日のはなし

神社の杜の中から時折り木々が軋むような音が聞こえてくる。梢高く実った秋がポロッと落下し、幹を転げ落ちる音とも違う。なにかが動いている。でも不思議と怖さを感じない。

僕の呼吸は極めてゆったりだ。落ち着いている。

社務所の土間に出来た無数の蟻地獄は健在だった。誰も訪れた形跡もない。しゃがんで顔を近づける。変わらずに土の古い匂いが漂っていた。いつの時代の土なんだろう・・また想う。

瓦で代用したような土留めに午後の寸光が戯れている。瓦を挟んだ左側が土間で蟻地獄のいる乾燥した土。右側は雨水の通り溝なのか、苔むして柔らかく湿っぽい。

フィルムカメラをを取り出すも光量不足でコンデジに切り替える。

蚊に数か所刺された。

背後の林の中からは、やはり何かが行き来している音が聞こえてくる。

土留め:豊田神社社務所

足元の秋・モノクロフィルムで撮る

福島潟・モーニング サンシャイン

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