霧の中のハンノキ・音までも閉じこめてしまいそうな空間域

目前に湖面が迫るような位置に三脚を構えると腐った臭い。

寄せる波が土壌を浸食して匂いを攪拌しているよう。

半分水に漬って夜明けを待っていると葦原になにやら白い影。

靄が立ち始めたのです。放射冷却が起こりそう。

やがて靄が岸辺の川霧と重なり、湖上の霧へと生長していく。

透き通るような大気はいつの間にか乳白色。それがゆっくりと左右に揺らいでは思い出したように北側へと流れていく。

太陽の昇る位置を確認し構図を調整。静かにレリーズを重ねた。

霧の中から聞こえてくる鳥たちのさえずりが心地よい。

様々な生き物たちの声する声にまどろみそうになるのは何故だろう。

撮影を終え土手に這い上がると辺り一面、霜が降りていました。

RVP100 55ミリ NikonF5  2015年3月22日撮影

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影絵・日が暮れてハンノキの塒に鷺が戻って来た・瓢湖にて

その樹木はやがて影となって霧の中へ吸いこまれていくのです

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