1日・日曜日、母に頼まれ近くのホームセンターへ園芸用の腐葉土を買いに行く。開店前だった。20分以上待つか、車で2分ほど走って此処へ来るか・・来たのだった。
深山茜はいそうもない。それよりこの風景を眺めるのが目的だった。「目的?」・・いやいや、そんな明確な意思なんかない。ただボ~としたいだけ。
砂利道に出て一瞬、熊が二頭いると焦った。
うん?・・違うか・・
此処へ来る道すがら「熊出没注意」看板があった。過剰反応したか。
僕の背中は既に汗ばんでいる。ただ少しだけ風がある。だからしばらく眺めていられたのだろう。何も考えない、何も。でもやっぱり水害で亡くなった学友を思い出してしまう。
彼の家はどのあたりにあったのだろう
飯角川がら溢れ出た濁流で家が流されたか
山から土石流が押し寄せ家を潰したか
彼は何を見たのだろう
彼の名前はなんだったっけ
彼とは話したことがあったかな
一人生き残った親父さんの放心した姿の写真
記憶が走馬灯のように蘇る。遠くで雷が鳴っていた。
*飯角川は砂利道の左側、夏草の直下を流れている
この記事へのコメントはありません。