満開の桜に背を向けて・木蓮と藪椿の落花

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木蓮もお終いだな。樹木の真下はどこもかしこも茶色く朽ちた花びらに覆われている。椿と違って木蓮は花弁が1枚づつ芯から剥がれ落ちる。だから散る範囲が広がるのだろう。

木蓮と藪椿が並んだ光景が見えてきた。

椿は花芯そのものがボトッと落ちる・・

白地に赤・・気になって行ってみることにした。

案の定、木蓮の花のジュウタンに藪椿の花が沢山落ちていた。

朝陽は向こうからやって来る。もっとしゃがんで朝陽をハレーションとして作画しようとしたが、道路沿いの灌木のゴチャゴチャが画面に入り込んでしまう。それでこうした。

通常焦点距離でマクロ域モード。前日と同じ構図だ。

14日撮影(50日目の朝)

気休めでしかない写真撮影

俺は多くの花見客が行き交う広場で泣いた。とめどなく涙がこぼれ落ちてくる。みんな楽しく笑っている。それに比べ俺らはどうなんだ。何も悪いことしてないのに・・張り裂けそうな気持になる。

本人の苦しみはどれほどか。

想うほどに動悸がし、写真どころでなくなった。

昨日もそうだったね。

頑張れ・・そんな声はかけないでくれ。今を既に耐えているんだ。
なんとかなる・・ならないから、もがき苦しんでる。

気休めな言葉はクソくらえ。

札束でも積んでくれたほうが、よっぽど明るい希望が見えてくる。

神様がいて欲しい

僕は宗教は信じないが神様がいて欲しい。

撮影から戻りテレビを付けたら地域医療のドキュメント番組の放映中。

他にやることもなく何気に観ていた。

若手医師が初めての患者さんを訪問治療する場面。80代寝たきりの老人が目の前の医師に「この世に神はいないのかね・・なにも悪いことしてないのに・・」と声を絞り出すように語り掛ける。

医師はその人の手を握りながら「うん、うん」と頷く。

ハッとした。

そのシーンが僕の頭の中でフリーズしてしまった。

この世に神はいないのかね・・何も悪いこと・・してないのに・・

今の俺は苦しくて、不安で、怖くて仕方がない。

満開の桜に背を向けて椿の落花を撮る

俺ほど親不孝な男はいない・老いた母を記録する

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