どんな苔なのか判りませんが、この場所へやって来る度、気にはしていた。
春、夏、秋・・小径脇の地面に貼り付いたこの苔の緑は季節を問わず鮮烈で、否が応でも立ち止まって腰を落とし、じっと見入ってしまうほど。
それでもこれまで撮ろうとしなかったのは、苔以外に興味の対象が沢山あったからだ。
「綺麗なんだけど、撮るにはレンズの倍率が低すぎる」・・苔はそんなレベルでもあった。
それが、冬がやって来て、生き物の姿が消え、木々の葉も落ちてモノトーンの世界が拡がってくると、この苔の緑が次第に大きく頭に浮かんできた。
「雪に覆われる前にあの緑、撮ろうかな」と。
「霜が付着しているかも」と。
14日、山懐までやって来た。
あった!
さほど気温が下がらなかったわりには山陰に入り込むとヒンヤリ。
めぼしい苔を捜し求めていたら、コナラ?の落ち葉を抱いた苔が寒そうなんだけど、それなりに元気な姿で僕を出迎えてくれた。
凍えても微かな息遣い・・
「やっと撮ってくれたね」
・・聞こえはしないけど、聞こえたような苔の囁き。
苔の緑と葉っぱの色合いが何とも言えず美しく、何枚も撮り重ねていく。
冬になって苔の美しさを感じるとはね。
RDPⅢ Ai-Micro Nikkor 105f/2.8s NikonF3 阿賀野市
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